monologue Vol.3が届いたとき。
「ほんとうにできあがったんだなあ」としみじみ思ったのは、インクのにおいを嗅いだときです。
すりたての印刷物のにおいは、生々しくて愛おしく、胸がしめつけられるよう。
……なんならすってる現場行っちゃう……!?
さっそく行ってきました。
Vol.3もおせわになりました
印刷通販ユアプレスさんが開催する工場見学へ。
場所はJR浮間舟渡駅から徒歩10分。日経印刷さんが運営するグラフィックガーデンという印刷のための施設。
おお…立派…。
延べ床面積3,600坪! 1階から4階まで印刷にまつわるすべてのサービスがここで行われているのです。
ワクワクが止まらないッ。
それでは。ユアプレスさんについての説明をすこし。
母体は前述の日経印刷さん。東京オリンピックの年に創業した印刷会社です。
DTPから発送まで印刷関連の業務を一貫しておこなう「ワンストップサービス」が特長(希少なんですよ!)。
これにより短い納期と低価格でのサービス提供を実現しています。ありがたい話です。
そしてユアプレスさんは日経印刷さんのインターネット受注部門です。
WEBで受付していても、サポート体勢はバッチリなので安心。
monologueのようなフリーペーパーやリトルプレスにとっては強い味方です。
いざ見学へ。
写真撮影NGでしたし軽めのレポートでお送りいたします。
まずは4階。PCがずらーっと並んだふつうのオフィスみたいなフロアに案内されました。
ここはいわゆるクリエイティブ部門。デザイン代行や原稿執筆、DTP作業が行われています。
入稿されてくるデータはユーザーの環境によって異なります。それらすべてに対応するために、あらゆるosやフォント、ソフトのバージョンを取り揃えています。まったく同じ環境で取り扱わないと恐ろしいトラブルのもと。骨の折れる作業です。
その隣の部屋は組版制作。通常の版のほか、廃水を出さない“水なし"版も取り扱っています。
そうそう、日経印刷さんは環境への取り組みにも積極的。
電力使用量の効率化はもちろん、グリーン調達といって自然にやさしい資材の導入など環境負荷に貢献し、経済産業大臣賞を受賞されました。
3階。ここは印刷行程のフロア。
むせるようなインクのにおい!!これこれ!!
…ほんとうにむせるんですよ。
写真をお見せできないのが無念です。
いわゆる4色のインク抽出マシンが連なる印刷機の間を紙が高速で流れていきます。
あっというまにカラー印刷のできあがり!!
オートマチックなようでいて、なにげに職人技なんですよ。ただ色を乗せるだけではなく、濃度やグレーバランスのコントロールは確かな目があってこそ。
品質の担保には経験がモノをいうわけです(monologueもとっても満足の出来♪)。
2階は加工・製本部門。広いフロアに機械の音が鳴り響き、ふと気づくとフォークリフトが迫ってきます。
ぼーっとしちゃいけませんよ。ここは危険がいっぱいなのです。
まずこわいのが裁断機。印刷された一定の枚数(1000枚単位)用紙をギロチンのような刃で上から一気に裁断します。
鋭くて、重くて、素早いので、人の腕は一瞬で切り落とされてしまうそうです。
見てるだけでこわい…。
そんな危険な作業を慣れた手つきでこなす人がいて、恐怖が尊敬で上書きされてしまいました。カッコいいです。
そのあとは折り機や無線・中綴じマシンなどを見学。紙が本になっていく様子はちょっと胸が熱く…。
1階は梱包・発送などの最終フェーズを担う場所。
ここからmonologueもやってきたんだなあと思うと沁み入るものがあります。
かなりはしょりましたが、とても勉強になりました。
とくに働いている人たちがロジスティックではなく、試行錯誤を重ねている様子がそこここに見られたのが一番のおみやげです。
改善点をひとりひとりが提案して壁に貼り出してあったり、現場から出たというアツいモットーが掲げられていたり。
「標準とは改善の最大の武器である」と大きく貼り出された提言にはグッときました。
本は著者や編集のように奥付に掲載される名前の数より、かなり多くの人の手がかかっていることを改めて考えさせられました。
本当に感謝しなければいけません。ありがとうございます。
と、いうわけでmonologue Vol.4もよろしくお願いします!
すでに次号の制作もちゃくちゃくと進んでいるのであります
最後に日経印刷さんのオフィスから見た外の風景。
よく見えないけど荒川がすぐそこに。